2024/11/11 15:48
○ 100mile無事完走
プランは6・6・8・8の28時間切りで、
3週間前の鬼100のレース感(手応えや反省点など)も残っており、
イーブンペースで落ち着いて入ろうと決めていました。
しかし、集団のスピードが遅く感じたこと、やっぱり序盤に貯金をしたい気持ちなど、
飛ばしたい気持ちと抑えたい気持ちが絡み合い、気付くと集団からそろっと出ていました。
すると、すぐに先頭を行く岡山の山本選手と合流しました。
設定したプランより速いペースでしたが、身体の動きも悪くなかったので、
気持ちよく5時間半で1周を終えました。このときは3人の集団でした。
このタイミングで滝雨が襲いかかり、すでに小雨と汗でウェアはかなり濡れていましたが、
どうせ着替えても意味がないということで、すぐに2周目に入りました。
2周目に入ると少しずつ雨は弱まりましたが、コースはどろどろとなり、
転倒しないために、いつも以上に脳と足の筋肉を使っている感覚がありました。
肩回りの疲労を軽減するため、1周目はポールなしで挑みましたが、
ここからはポールをふんだんに活用しました。
木をつかんだ方が楽な場面や下りでは、すぐにポールをしまえるよう、
伸縮性のある靴ひもをポールに付け、肩にかけられるよう自作しました。
(すでに誰かがやっているのをパクりました。学びならぬ「真似び」です。)
2周目に入ってからは山本選手との2人旅でしたが、後半はじわじわ離され、
その後は1人で進むこととなりました。
このときの感情を振り返ると、疲労はありましたが、思いの外やめたいとは思わず、
かといって前向きな気持ちも湧かず、ほぼ無の境地で作業をしている感覚でした。
ただ、ゾーンに入っているわけではないので、
体のキレはなく、「長いな、はよ終われ」と思いながら進んでいました。
2周目はプランの6時間をオーバーしていましたが、1周目の貯金があったので、
3周目に入る前は、着替えと補給を丁寧に済ませました。
そして、身支度に20分ほど費やし、プラン通りの時間で3周目に入りました。
ここから本格的な夜パートが始まります。
雨も止んでおり、気温もそこまで低くなく、風も穏やかでした。
ただ、霧が厄介で、足元しか見えない状況の中、時々、霧が晴れる瞬間があり、
その都度「なんて見やすいんだ」と感動を繰り返しながら進みました。
このとき、足裏の皮はしわしわとなっており、3周目に入るとさすがに痛み始めました。
それでも立ち止まらないことを意識し、積極的にカフェインを摂るように心がけました。
3周目は8時間をオーバーし、疲労に加え眠気もピークでしたが、あと1周という安堵と、
サポートの温かい応援により、弱音は出るけど足を止めることはない状態でした。
4周目に入る前は、足の裏にテーピングを巻き、靴下だけでなく靴も交換しました。
そうこうしていると高知の水野選手に追いつかれ、同時に最終回に突入しました。
しかし、すぐに離され、再び一人旅となりました。
とぼとぼ進んで最初のエイドに到着すると、後続の選手とかなり差があることを知り、
かなり心にゆとりができました。自分に甘えた瞬間でもありました。
ここで一息、ホットコーヒーを飲みました。コーヒーは普段あまり飲まず、
まして甘くないコーヒーはあまり好きではないのですが、
このときばかりは、どんなカフェイン入りジェルよりも目が覚めました。
しかも、動きながら徐々に目が覚めていき、まるで夜が明けたような感覚でした。
エイドを出てしばらくすると、度々冷気に身震いしましたが、
そこまで寒いとは感じず、すべての周回を振り返っても、上着はほぼ使いませんでした。
夜間に星がうっすら見えていたので、きっと晴れるだろうという予感は的中し、
やがて肌寒さを忘れるほど、きれいに晴れていきました。
このコースは、眺望がほとんどありませんが、
木々の隙間から太陽の光が差し込む様子が何とも美しいです。
その景色を見ることができ、今もまだ鮮明に脳裏に焼き付いています。
その後は、少しずつショートの選手に抜かれ始め、その度にお互いを鼓舞し合いました。
これもトレイルランニングの醍醐味の1つです。
カテゴリーが違うといえど、次々と抜かれると切なくなりますが、
それ以上に人との関わりを楽しみながら進みました。
最終回(時間にして9時間弱)のほとんどは、
「今日の打ち上げ楽しいだろうなあ」、「明日の疲労抜きはどこの山へ行こうかな」など、
集中力が切れているのか、逆に安定しているのか分からない状態でしたが、
やはり、「夜が明ける」、「たくさん食べる」、「眠気が覚める」、「人と話す」、
こういった出来事が、間違いなく元気づけてくれました。
そしてついに、ゴールの瞬間!
青空のもと、無事3位でゴールしました。
時間は29時間15分とプランを越えてしまいましたが、もはやどうでもよかったです。
何より、運営やサポートへの感謝、トレイルランニングの魅力、自分の可能性、
すべてを同時に感じることができた瞬間でした。