2025/03/18 22:39
○ トリプル完走の難しさ
トリプルは走破が難しく、完走率は例年50%前後です。
それもそのはず、
45k・3900mアップに対して、制限時間が6時間45分だからです。
前向きなこととしては、
・コースの前半は舗装路(コース全体のトレイル率は50%)で時短が見込める
・主催者側によるトレイルの整備が行き届いている(筆者も微力ながら尽力)
後ろ向きなこととしては、
・コースの後半が、里山の縦走ならではの急登・急降下の繰り返し(雨の日は危険)
・今年は雪がちらつくほどの寒さ(気温6℃前後)
ぜひ、多くの人にチャレンジしてもらいたいです!
↑出釈迦寺奥の院「禅定寺」から、我拝師山の山頂にかけての岩場(捨身ヶ嶽)
○ トリプル完走に向けて
トリプル完走のためには、もちろんそれ相応の走力が必要だと考えます。
ロードを無難に走れる下地と、テクニカルなトレイルの攻略が鍵となります。
しかし、そんなことは誰しもが分かっていることなのです。
そこで、個人的に意識していることを3つお話します(あくまで私見です)。
大切なのでもう一度、あくまで私見です(笑)。
・苦手意識をつくらない
・体全身を使う
・下りで稼ぐ
まず、「苦手意識をつくらない」ことに関しては、簡単に言うと対策し過ぎないことです。
僕の家からスタート地点までは、車で40分ほどとアクセスしやすいのですが、
このコースに関しては、あまり試走はしませんし(下見は大切ですが)、
普段からトレーニングとして、このコースに入ることも少ないように思います。
また、対策として似たような山やきつい斜度を、繰り返し走ることもありません。
すべては、レース当日「今から始まるんか~」、「きついの嫌やなあ~」
といったネガティブ思考を限りなく抑え、ワクワクした感情を高めるためです。
人間とは不思議なことに時間が経つと、きつい記憶が薄れ、楽しい記憶のみ断片的に残り、
準備不足なほど、根拠のない自信が芽生えるものなのです。
そして、その習性を利用するのです。
今年に関しては、レースの前の週に試走(中~高強度)を1回と、
レースの週(月曜日)にインターバル(200×10)をして、
最低限の刺激を入れたことが、唯一の対策(準備?)だったように思います。
次に、「体全身を使う」ことですが、これはレース後の筋肉痛から学んだ気付きです。
トリプルを完走すると、毎年、全身が筋肉痛になります。
まるで、ポールを使ってロングトレイルを走破したみたいに。
しかし、この疲労感にトリプル攻略のヒントが隠されていると考えています。
例えば、
・省エネ走りで体の動きが小さくなりがちでも、ここぞの場面では腕を振って反動を使う
・太ももをプッシュしたり、木やロープを使ったりして、体全身で登る
このように、疲労を全身に分散させて、足への疲労の集中を回避することが大切です。
最後に、「下りで稼ぐ」ことは、単に僕が登りに自信がないからです。
3周目にもなると、多くの選手が登りに苦戦します。
しかし、ある程度スムーズに下ることができれば、大幅なタイムロスはないように思います。
最悪なのは、登りで足がつりそうな予兆があり、
登り終えて下りに差し掛かった途端に、完全に足がつってしまうパターンです。
下りのよちよちは、かなり時間がかかります。
今年の僕は、1位を必死に追うあまり、
水分補給を怠ってしまい、3周目は完全に足がつりました。
内転筋からふくらはぎにかけて、かなりの激痛でした(つってなくても1位とは大差)。
このあたりの対策は、まだまだ僕も勉強中です。
○ 脳と体の制御
タイムは、2年前は、5時間47分台
去年は、5時間44分台
今年は、5時間45分台でした。
どの年もきつ過ぎるのですが、2年前が最も気持ちよく走れた感覚があります。
実際、2年前が最もタイムの落ち幅が少なく、3周目のタイムも一番速いです。
結果を分析すると、改めてイーブンペースの大切さを身に染みて感じることができます。
とはいえ、頭で分かっていても、体はそう簡単に制御できません。
なんなら、前半に貯金を作りたい僕にとっては、
イーブンペースで進む選択をすること自体が難しいように思います。
そういう意味では、イーブンペースで進むことは、
計算されたペース配分と、後半甘えない強靭なメンタルをもちあわせてこその、
至難の業なのかもしれません。
レース展開にもよりますが、ある程度は意図的(戦略的)でないと、
効率のよい走りはできないように思います。
同じレースでも、年によってレース展開が変わり、得られる気付きも変わってきます。
そういう意味では、やっぱりトレイルランニングは奥深く、楽しい!!
今後もたくさんの人から刺激を受け、そして与え、ともに豊かな気持ちになる。
そんなコミュニティで、成長し続けていきたいなと感じた1日でした。
↑ゴール直前、悔しさを腕立て伏せにぶつける。